作・演出 大信ペリカン 出 演 平林里美 荒川美樹 七海良郎 客 演 加藤裕美(捨枷組) 小田島達也(劇団Be White) 荒井和寛(金魚や) 映 像 ステカセ 宣伝美術 A2C 制作協力 tripod/トライポッド(仙台・東京公演) 【東京公演】 主 催 ( 有) アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成19年度文化庁芸術拠点形成事業
不思議な話を聞かせるから、 トンネルの中の線路は緩やかにカーブを描きつつあったが、そのすべてを曲がりきることなく列車は停止していた。止まってからすでにかなりの時間が経過していたので、乗客たちは列車がどちらを向いて走行していたのかを見失うほどだった。 彼らを見舞ったこの突然のハプニングは車内の全ての乗客にとって不幸でしかありえなかったが、彼らが停車の理由を知るまでには、まだ少しの時間が必要になる。 そして、その不幸な乗客の一人にアンティゴネがいたわけだが、彼女は一刻も早く列車が走り出すことを願っていた。せめて止まったのがトンネルの中でなければ、窓から飛び出してでも先を急ぐことができるのに、と不運を嘆きながら。